目的別トレーニング方法(スキー)
どんな効果があるの?
「加圧トレーニング」はスキーに必要な体力を効果的に高めることができます。
加圧トレーニングは最大筋力の20%~30%の負荷で筋力、筋持久力、筋パワーを高めることができます。その効果は、従来型トレーニングを最大筋力の80%の負荷で行った場合に相当します。最大筋力の80%の負荷は、カラダにとって非常に重いので、ケガや障害を起こしやすく、リスクも小さくありません。そのため、トレーニングに慎重になり、多くの時間を費やすようになります。
加圧トレーニングは軽い負荷、短かい時間しか行わなくても十分な効果を期待できます。したがって、加圧トレーニングは、オフシーズンのみならず、オンシーズンにも効果を発揮します。滑る時間を削らずに体力の維持を図れる、また、トレーニングを行ってもケガや障害のリスクが小さい、これらの特徴をもつ加圧トレーニングはまさにスキーヤーにとって理想的なトレーニングといえるでしょう。
▼「従来型トレーニング」と「加圧トレーニング」に費やす時間を比較する。
〈従来型トレーニング〉 | 〈加圧トレーニング〉 |
・デットリフト | ・デットリフト |
50%:20回×2セット | ※20%:30回×1セット |
70%:12回×3セット | ※20%:20回×1セット |
90%:4回×2セット | ※20%:10回×1セット |
100%:1回×1セット | |
85%:6回×1セット | |
75%:10回×1セット | |
55%:18回×1セット | ※ 印は最大筋力に対する割合重量。 |
所要時間:66’53 | 所要時間:2’40 |
※従来のトレーニング方法は、筋持久力、筋力、筋パワーを強化する「ピラミッド式トレーニング方法」です。
これに対して、加圧トレーニングは表記の負荷、回数、セットでも十分に左側の「従来型トレーニング」と同等の効果を得ることができます。
加圧トレーニングで、短時間で体力・筋力を鍛え、余った時間で自分の優れた能力を磨く。
加圧トレーニングの最大の利点はトレーニングの時間や期間を短縮することが可能となることです。その短縮された時間を使って、たとえば、日本人が比較的能力が高いと言われている敏捷性・巧緻性のトレーニングに費やすことができれば、日本人がワールドカップで表彰台の中央に立つ日もそう遠い将来の話ではないと思います。
元全日本アルペンチーム ヘッドトレーナー 神 和人